抽象度が高いカットを構成する足がかりをどうするか。
『00:14:46:22』では、そこに重点を置いて制作されている。
Hans RichterのRhythmus 21をみてみよう。
映像的モチーフとなっているのが、正方形と長方形である。
正方形と長方形の2つををモチーフとして、全体が構成されている。
映像上でてくる長方形を正方形を連結したバリエーションととるかは、解釈の別れるところではあると思うが。
ここで言うモチーフによる構成とは、音楽的時間構成の側面が強い。
その考え方をもとに、『00:14:46:22』を構成している。
『00:14:46:22』の提示される基本モチーフは2つ。
1つ目は、00:00:38:00付近で出てくる太い線の集合体。
これを便宜上のネームをAとしておく。
2つ目は、00:00:51:00付近で出てくる凝縮された細目の線。
これを便宜上のネームをBとしておく。
この2つをモチーフとして、全体を構成している。
全体時間の構成としては、
00:00:38:00付近でA、00:00:51:00付近でBが提示される00:00:00:00から00:01:56:00付近を構造1。
00:03:34:00付近でBの変容が提示される00:01:56:00付近から00:04:15:00付近を構造2。
00:04:17:00付近でBの変容、00:04:53:00付近でAの変容が横位置で提示され、00:04:15:00付近から00:07:53:00付近まで展開される。これを構造3。
00:08:50:00付近でAの変容が提示される00:07:53:00付近から00:10:19:00付近を構造4。
00:12:16:00付近でAの変容が再度提示され変容、展開される00:10:19:00付近から00:14:46:22を構造5としている。
全体は、5つの構造からなり2つのモチーフからなっている。